債務整理の基本

債務整理は誰に依頼するべき?弁護士に依頼するメリットや費用を解説

債務整理を検討中の方の中には、誰に債務整理を依頼すればよいか迷っているという方もいるかもしれません。債務整理を依頼できる法律の専門家には、「弁護士」と「司法書士」がいます。どちらの専門家に依頼しても債務整理を行うことができますが、それぞれ異なるメリットがありますので、ご自身の状況に応じた最適な専門家を選択することが重要です。

この記事では、債務整理を弁護士に依頼するメリットや債務整理を依頼した場合にかかる費用などについて、わかりやすく解説します。

債務整理とは

債務整理とは、借金返済が苦しくなった場合に、借金返済の負担を軽減することができる方法です。債務整理には、以下の3つの方法があります。

  • 任意整理
  • 自己破産
  • 個人再生

いずれの方法を選択するにしても、法律の専門家の協力なしでは、債務整理を行うことは困難です。一般的には、弁護士または司法書士に依頼して債務整理を行うことになります。

なお、3つの債務整理の方法については、こちらの記事で詳しく説明しています。

債務整理を弁護士に依頼するメリット

債務整理を弁護士に依頼するメリットとしては、以下のような点があげられます。

債権額の限度なく対応が可能

弁護士は、債務者の借金額の多寡にかかわらず、債務整理を行うことが可能です。

これに対して、司法書士は、任意整理をする場合には債権者1件あたり140万円までしか対応することができません。債権額が1件あたり140万円を超えてしまうと、その債権者を除外して任意整理をしなければなりませんので、一度で借金問題を解決することはできません。

また、過払い金が発生していたとしても、債権者1件あたり140万円を超える過払い金の事案を扱うことはできませんので、結局は、弁護士に依頼しなければならなくなります。

そのため、債権者1社あたりの債権額が高額な場合には、弁護士に依頼した方がよいでしょう。

債務者の代理人として裁判所との対応が可能

弁護士は、債務者の代理人として、自己破産や個人再生の申立てが可能です。書類の作成、提出だけでなく、裁判所とのやりとりなどすべてに対応できるのは弁護士だけです。

司法書士は、裁判所に提出する書類の作成自体は可能ですが、実際の申立てや裁判所とのやりとりはすべて債務者本人が行わなければなりません。

債務整理にあたって少しでも負担を軽減したいという方は、弁護士に依頼した方がよいでしょう。

費用(予納金)を安く済ませることができる

自己破産の手続きには、同時廃止と管財事件の2種類があります。免責不許可事由がある場合や一定金額以上の財産を持っている場合には、管財事件になりますが、管財事件では裁判所に予納金というお金を納めなければなりません。

弁護士が代理人として申立てをすれば、少額管財事件で処理することができますので、予納金は、20万円で済みます。しかし、司法書士に依頼した場合には、本人申立てとなりますので、通常管財事件として処理される可能性が高く、その場合には、最低でも50万円の予納金を準備しなければなりません。

そのため、自己破産で管財事件になる可能性がある方は、弁護士に依頼した方が費用を安く済ませることができるでしょう。

なお、司法書士に依頼する場合のメリットについては、以下の記事で詳しく説明しています。

債務整理にかかる弁護士費用の相場

弁護士に債務整理を依頼した場合には、債務整理の種類に応じて、弁護士費用がかかります。実際の弁護士費用は、弁護士事務所によって異なりますので、以下では、一般的な相場を説明します。

任意整理をする場合の弁護士費用の相場

弁護士に任意整理を依頼した場合には、以下のような費用がかかります。

相談料

債務整理を依頼する前に、弁護士に借金の相談をすることになります。その際の相談料としては、1時間あたり1万円が相場です。

ただし、弁護士事務所によっては、無料相談を実施しているところもありますので、そのような事務所に相談すれば、相談料はかかりません。

着手金

着手金とは、弁護士に債務整理を依頼したときに支払うお金です。弁護士が事件に着手する際に必要となるお金であることから「着手金」と呼ばれています。

任意整理の場合、債権者数に応じて着手金を計算するのが一般的で、債権者1社あたり2~4万円が着手金の相場となります。

報酬金

報酬金とは、事件が解決した際にその成果に応じて発生するお金です。

任意整理の場合には、「減額報酬」といって、債権者からの請求額を交渉により減額できた場合に発生するのが一般的です。その際の報酬金としては、減額した金額の10%程度が相場となります。

自己破産をする場合の弁護士費用の相場

弁護士に自己破産を依頼した場合には、以下のような費用がかかります。

相談料

相談料としては、1時間あたり1万円が相場ですが、無料相談を実施している法律事務所もあります。

着手金

自己破産の着手金は、自己破産の手続きが同時廃止になるか管財事件になるかによって、以下のように異なっています。

  • 同時廃止   20~30万円
  • 管財事件   30~40万円

管財事件の方が業務量が多く、複雑であるため、同時廃止よりも高めに設定されています。

報酬金

自己破産の場合、報酬金は発生しないことが多いです。

ただし、管財事件であり、かつ免責が困難な事案については、着手金と同程度の報酬金が発生することもあります。

裁判所に支払う費用

自己破産では弁護士費用以外にも以下のような裁判所に支払う費用が必要になります。

  • 収入印紙代(申立手数料)……1500円
  • 予納郵券……約5000円
  • 官報公告費(予納金)……1万2000円or1万9000円
  • 引継予納金(管財事件の場合)……20万円

個人再生をする場合の弁護士費用の相場

弁護士に個人再生を依頼した場合には、以下のような費用がかかります。

相談料

相談料としては、1時間あたり1万円が相場ですが、無料相談を実施している法律事務所もあります。

着手金

個人再生の着手金は、30~40万円が相場となっています。

報酬金

個人再生の報酬金は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用するかどうかによって、以下のように異なっています。

  • 住宅資金特別条項を利用しない場合  20万円程度
  • 住宅資金特別条項を利用する場合  30万円程度

なお、住宅資金特別条項については、こちらの記事で詳しく説明しています。

裁判所に支払う費用

個人再生では弁護士費用以外にも以下のような裁判所に支払う費用が必要になります。

  • 収入印紙代(申立手数料)……1万円
  • 予納郵券……約5000円
  • 官報公告費(予納金)……1万3744円
  • 個人再生委員への報酬……15~25万円

債務整理を依頼する弁護士事務所の選び方のポイント

弁護士に債務整理を依頼しようと思ってもどこの弁護士事務所に行けばよいかわからない方も多いでしょう。そのような場合には、以下のポイントを踏まえて弁護士事務所を選びましょう。

債務整理の経験や実績が豊富であること

一般的な弁護士事務所であれば、債務整理の取り扱いがありますので、債務整理の依頼をして処理してもらうことは可能です。

しかし、弁護士にも専門分野や得意分野がありますので、より適切に債務整理の事案を処理してもらうためには、経験や実績が豊富な弁護士に依頼することが大切です。最近では、弁護士事務所のホームページ上に解決実績を掲載しているところもありますし、債務整理を得意分野としてアピールしている事務所もあります。債務整理を依頼するのであればそのような弁護士事務所を選ぶとよいでしょう。

債務整理の費用が明瞭であること

債務整理の弁護士費用は、弁護士事務所によって異なります。後から追加で想定外の費用を請求されたという事態にならないようにするためにも、相談時に債務整理にかかる費用を明示してくれるところを選ぶようにしましょう。

ホームページ上で債務整理の弁護士費用を掲載しているところであれば、相談前に大まかな弁護士費用を把握することができますので安心です。弁護士に相談をしたからといって、すぐに依頼しなければならないわけではありませんので、費用面で納得できた段階で依頼をするようにしましょう。

弁護士が親身になって丁寧に対応してくれること

債務整理の依頼をする方は、多額の借金に悩んでどうしようもない状態で弁護士に相談にきています。そのような相談者に対して、横柄な態度やきつい言葉遣いをする弁護士では安心して債務整理を任せることができません。

些細なことでも親身になって丁寧に説明してくれる弁護士を選ぶようにしましょう。

夜間や土日の相談にも対応していること

債務整理の相談をしたくても、平日の日中は仕事で忙しくて相談できないという方も少なくありません。

毎回仕事を休んで相談や打ち合わせをしなければならなくなれば、収入の減少によって借金の返済が困難になるおそれがあります。そのため、仕事が忙しいという方は、平日の夜間や土日に法律相談を実施している弁護士事務所を選ぶとよいでしょう。

弁護士事務所の立地が行きやすい場所であること

弁護士に依頼をすれば、それで終わりというわけではなく、状況に応じて弁護士との打ち合わせが必要になることがあります。

遠方の弁護士事務所に依頼した場合には、その都度、遠方に出かけなければならず、相当な負担となります。今後の打ち合わせの負担を軽減するためにも、自宅や職場に近い弁護士事務所を選択するのがおすすめです。

まとめ

債務整理をお考えの方は、弁護士または司法書士に依頼して手続きを進めていくことになります。弁護士に依頼をすれば、借金額の上限なく対応してもらうことができ、裁判所との対応もすべて任せることができます。そのため、1社あたりの借金額が多いケースやご自身の負担を軽減したいというケースでは、弁護士に依頼するのがおすすめです。

-債務整理の基本
-,